フォークリフトの各部名称(バックレストやマストなど)の役割を解説!用語集や構造図も紹介!

フォークリフトで安全かつ効率的な作業を行うには、
フォークやバックレストなどの役割を理解しておく必要があります。
そこで本記事では、フォークリフトの各部名称や構造図を交えながら、
知っておくと便利な用語を解説します。
フォークリフトの知識を深めたい方や、安全な作業を行いたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
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フォークリフトの各部名称と役割
フォークリフトは、荷物を効率的に運搬するための産業車両であり、様々な部品で構成されています。
フォークリフトを構成する主要な部分を、荷役装置、運転席、車体外部、車体内部に分けて解説いたします。
荷役装置
荷役装置は、荷物を持ち上げたり、運搬したりするための装置です。
具体的な各部の名称と役割は、下記の通りです。
名称 |
役割 |
マスト |
・フォークを上下させるための支柱 ・インナーマストとアウターマストで構成され、多段式になっているものもある |
フォーク(爪) |
・荷物を支えるための爪状の部品 ・荷物の形状や大きさに合わせてさまざまな種類がある |
バックレスト |
・荷崩れを防ぐために、フォークの後ろに取り付けられた板状の部品 |
リフトチェーン |
・フォークを上下させるためのチェーン ・マストとフォークを連結し、油圧シリンダの力でフォークを昇降させる |
リフトシリンダ |
油圧の力でマストを昇降させるシリンダ |
ティルトシリンダ |
マストを前後に傾けるためのシリンダ |
フォークレール(フィンガーバー) |
・フォークを取り付けるためのバー(横板) ・パレットの幅に合わせてフォークの間隔を調整できる |
上記の部品が連動することで、荷物の昇降、傾斜、運搬といった一連の荷役作業が行えます。
運転席
運転席周りには、フォークリフトを操作するために必要なハンドルやレバーなどが配置されています。
具体的な各部の名称と役割は、下記の通りです。
名称 |
役割 |
ハンドル |
フォークリフトの進行方向を操作するための装置 |
前後進レバー |
フォークリフトを前進または後進させるためのレバー |
リフトレバー |
フォークを上昇または下降させるためのレバー |
ティルトレバー |
マストを前傾または後傾させるためのレバー |
アクセルペダル |
フォークリフトの速度を調節するためのペダル |
ブレーキペダル |
フォークリフトを減速または停止させるためのペダル |
サイドブレーキ |
駐車時などにフォークリフトを固定するためのブレーキ |
計器類 |
燃料計、油圧計、アワーメーターなど、フォークリフトの状態を示す計器類 |
上記の操作以外にも、車両によっては、「クラッチぺダル」や「リーチレバー」などが配置されている場合があります。
そのため、ご自身が扱うフォークリフトの運転席周りの装置で、
名称や役割がわからないものがあれば、取扱説明書を確認してみてください。
車体外部
車体外部は、フォークリフトの外側を構成する部分です。
具体的な各部の名称と役割は、下記の通りです。
名称 |
役割 |
ヘッドガード |
荷物の落下から運転者を保護するためのガード |
バランスウェイト |
・車体後部に搭載された重り ・荷物を持ち上げた際の安定性を保つ役割がある |
タイヤ |
・フォークリフトの走行を支えるタイヤ ・路面状況に合わせてさまざまな種類がある |
駆動輪 |
エンジンやモーターの動力を伝える車輪 |
操舵輪 |
フォークリフトの進行方向を操作するための車輪 |
上記の部品は、フォークリフトの走行や安定性、そして運転者の安全に関わっています。
車体内部
車体内部は、フォークリフトの動力源や制御機構などが格納されている部分です。
具体的な各部の名称と役割は、下記の通りです。
名称 |
役割 |
エンジン/モーター |
フォークリフトの動力源 |
バッテリー |
電動式フォークリフトの動力源 |
ラジエータ |
エンジンを冷却するための装置 |
油圧装置 |
フォークの昇降や傾斜、その他のアタッチメントの作動に必要な油圧を発生させる装置 |
上記の部品は、フォークリフトを動作させるための根幹となる部分です。
フォークリフトの用語集と主要諸元(構造図)
フォークリフトを安全かつ効率的に操作するためには、
各部の名称だけでなく、関連する用語についても理解しておくことが重要です。
また、主要諸元を把握すれば、フォークリフトの性能や特性をより深く理解できます。
次項で、知っておくと便利な用語、荷役操作に関する用語、
そして主要諸元(構造図)について詳しく解説します。
知っておくと便利な用語
フォークリフトを使用するうえで、知っておくと便利な用語は下記の通りです。
用語 |
意味 |
基準荷重中心 |
フォークに荷物を積載する際の、荷物の重心位置の基準となる点(具体的にはフォークの先端から500mmの位置) |
最大揚高 |
フォークを上げられる最大の高さ |
フリーリフト |
マストを伸ばさずにフォークを上昇させられる高さ |
ティルト角(マスト傾斜角) |
マストを前後に傾けられる角度 |
フォークの長さ |
フォークの先端から根元までの長さ |
最高速度 |
フォークリフトが走行できる最大の速度 |
最小旋回半径 |
フォークリフトが旋回できる最小の半径 |
最小直角通路幅 |
フォークリフトが直角に曲がるために必要な通路の幅 |
直角積付通路幅 |
所定の荷重を積載したうえで直線道路上で90度旋回するために必要な通路の幅 |
全長 |
フォークリフト全体の長さ |
全幅 |
フォークリフト全体の幅 |
マスト高さ |
マストを最も縮めた状態での高さ |
ヘッドガード高さ |
ヘッドガードの最上部までの高さ |
ホイールベース |
前輪と後輪の間の距離 |
フロントオーバハング |
前輪の中心からフォーク先端までの距離 |
リヤオーバハング |
後輪の中心から車体後端までの距離 |
最低地上高 |
地面から車体の1番低い部分までの距離 |
基準負荷状態 |
フォークリフトの性能を測定する際の基準となる荷物の積載状態 |
上記の用語を理解すれば、フォークリフトの性能や作業範囲を正しく把握できるでしょう。
荷役操作に関する用語
フォークリフトの荷役操作をするうえで知っておいた方が良い用語は、下記の通りです。
用語 |
意味 |
すえ切り |
ハンドルをいっぱいに切った状態で、車体を前後に動かして旋回半径を小さくする操作 |
上昇 |
フォークを上方向に移動させる操作 |
下降 |
フォークを下方向に移動させる操作 |
前傾 |
マストを前方向に傾ける操作 |
後傾 |
マストを後方向に傾ける操作 |
収縮(リーチイン) |
リーチ式フォークリフトにおいて、マストを手前に引き寄せる操作 |
伸張(リーチアウト) |
リーチ式フォークリフトにおいて、マストを前方に伸ばす操作 |
ピックアップ |
パレットなどにフォークを差し込み、荷物を持ち上げる操作 |
差し込み |
パレットなどにフォークを差し込む操作 |
引き抜き |
パレットなどからフォークを引き抜く操作 |
インチング |
微速で前進または後退を行う操作 |
上記の用語を理解すれば、作業指示の伝達や作業手順の理解がしやすくなります。
フォークリフトの主要諸元(構造図)
フォークリフトの主要諸元は、性能や寸法を示す重要な情報です。
ここでは、厚生労働省の資料を基に、一例を紹介します。
それぞれのアルファベットは、下記を示しています。
A:最大荷重 |
H:全長 |
N:フォーク調整間隔(外側) |
B:基準荷重中心 |
I:全幅 |
O:フォーク幅 |
C:最大揚高 |
J1:全高 マスト下降時 |
P:フォーク厚さ |
D1:マスト傾斜角 前傾角 |
J2:全高 マスト上昇時 |
S:バックレスト高さ |
D2:マスト傾斜角 後傾角 |
K:ホイールベース |
U:リヤオーバハング |
E:フリーリフト |
L1:ドレッド前輪 |
V:フロントオーバハング |
F:最小旋回半径 |
L2:トレッド後輪 |
X:最低地上高 |
G:最小直角通路幅 |
M:フォーク長さ |
Y:ヘッドガード高さ |
カウンターフォークリフトとリーチフォークリフトの違いは?
カウンターフォークリフトとリーチフォークリフトの違いは、下記の通りです。
項目 |
カウンターフォークリフト |
リーチフォークリフト |
運転姿勢 |
座って運転 |
立って運転 |
フォーク(爪)の伸縮 |
伸縮不可 ※専用のアタッチメントを装着すれば伸縮可能 |
前後に伸縮可能 |
小回り性 |
低い |
高い |
積載量 |
大きい |
小さい |
得意とする作業環境 |
・屋外や広い倉庫内での荷役作業 ・トラックへの積み込み作業 |
・狭い倉庫内や高所への荷役作業 ・ラックへの出し入れ作業 |
上記の違いを踏まえ、
作業環境や運搬する荷物の種類、作業内容などを考慮して、最適な機種を選択しましょう。
なお、リーチフォークリフトについてより詳しく知りたい方は、
「リーチフォークリフトの特徴や運転する際のコツを紹介!カウンターフォークリフトとの違いも解説!」をご覧ください。
フォークリフトの各部名称や用語を理解するメリット
フォークリフトの各部名称や用語を理解するメリットは、下記の通りです。
- 作業前点検・月例点検の精度が向上する
- 故障時に的確な状況伝達ができる
- 上司からの指示に対して正確な理解ができる
作業前点検・月例点検の精度が向上する
作業前点検や月例点検は、フォークリフトの安全な運行を維持するために大切です。
各部名称の場所や意味を正しく理解していれば、
点検項目を確実に確認できて、尚且つ不具合の早期発見に繋がります。
例えば、「マスト」や「チェーン」、「フォーク」といった名称がわかっていれば、
点検箇所を迷うことなく確認できます。
これにより、点検漏れを防ぎ、事故のリスクを低減することが可能です。
故障時に的確な状況伝達ができる
フォークリフトが故障した場合、
修理担当者に故障箇所を的確に伝えることが、迅速な修理に繋がります。
各部名称を知っていれば、
「リフトシリンダから油漏れがある」、「ティルトシリンダの動きが鈍い」など、
具体的な状況を伝えることが可能です。
これにより、修理担当者は状況を正確に把握でき、適切な対応ができます。
上司からの指示に対して正確な理解ができる
作業中に上司から指示を受ける際、各部名称や用語がわかっていれば、
指示内容を正確に理解し、誤操作を防げます。
例えば、「フォークを最大まで上げて」といった指示に対して
曖昧な理解で操作してしまうと、
荷物の落下やフォークリフトの転倒など、重大な事故に繋がる可能性があります。
前述したメリットも含め、
フォークリフトの各部名称や用語を理解することは、安全と効率の両面から重要です。
フォークリフトの各部名称を理解して安全かつ効率的な作業をしよう!
フォークリフトの各部名称や用語を理解すれば、
作業前の点検、故障時の対応、上司からの指示の理解など、
日々の業務におけるさまざまな場面で役立ちます。
特に、安全に関わる部分の名称や役割を正しく理解すれば、
事故を未然に防ぐことにも繋がります。
本記事が、フォークリフトを使用する皆様の安全と効率的な作業に少しでもお役に立てれば幸いです。
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